念佛宗 【念仏宗】無量壽寺|まなびの泉

念仏宗の総合案内 サイト更新日2020年10月11日

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 皆さんは、予想もしていなかったことが起こった時、どうしますか。
 自然災害のように予測不能なことが起こり、いつ自分があぶない場面に遭遇するかもしれません。パニックになってしまう人もいれば、落ち着いて対処できる人もいます。
 今回は、心を落ち着かせることの大切さについて学びましょう。

子鹿の智慧


 ある日のこと、優れた智慧を持った鹿王のもとに、母鹿が子鹿を連れてきて、子鹿に鹿王の智慧を授けてほしいとお願いしました。翌日から、子鹿は毎日、鹿王のもとにやってきて、色々なことを鹿王から教わり、その眼は次第に、智慧の輝きを増していきました。
 そんなある日、子鹿が仲間たちと森の中を散歩していると、「ガチャッ」と音がして、子鹿の前足が罠にかかってしまいました。仲間の鹿たちは驚き恐れて逃げ去ってしまい、誰も助けてはくれませんでした。このことを知った母鹿は、鹿王に、子鹿を助けてほしいとお願いしました。
 しかし、鹿王は、「あわてなくてもよい、あの子鹿なら自分で解決するであろう」とだけ告げました。
 その頃、罠にかかった子鹿は、ゆっくり横たわり、足をのばして腹ばいになりました。そして、後ろ足で周りの土や草を掘り下げ、苦しさのあまりのたうちまわったように見せかけ、自分の体に唾液をかけ、舌をだらりと出して、死んだように見せかけました。
 やがて、猟師がやってきました。「おや、子鹿が罠にかかっているぞ。ずいぶん暴れたようだな。罠を外すか」そう言って、子鹿の罠を外し、鹿を縛るつる草を採りに行きました。子鹿は猟師の姿が見えなくなると、すぐに立ち上がり、さっさと逃げたのでした。

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