念佛宗 【念仏宗】無量壽寺|まなびの泉

念仏宗の総合案内 サイト更新日2021年9月11日

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 皆さんは、善いことを思い立った時、すぐに行動できていますか。
 たとえば、困っている人を見かけた時、「断られてしまったらどうしよう」「人に見られているから恥ずかしい」などと思い、行動をためらってしまうこともあるでしょう。
 今回は、迷わず善を行うことについて学びたいと思います。

一枚の上着

 2500年前のお釈迦様の時代に、とても貧しい夫婦がいました。その貧しさは、一枚の上着を、夫婦で一緒に使っているほどでした。
 ある日、夫のエカサータカが上着を着て、お釈迦様の御説法を聴きに行きました。エカサータカは大変感動し、上着をお布施しようと思いつきました。
 しかし、妻の顔が頭に浮かび、「唯一の上着を布施してしまったら、我が家には一枚も上着がなくなってしまう。それでは妻も困ってしまうから、やっぱり布施はやめておこう」と考え直してしまいました。その後も御説法は続きますが、布施をしたいと思っても、妻の顔が浮かび、ためらってしまいます。
 そうしてずっと迷っていましたが、御説法が終わろうとした時です。
「よし、決めた。たった一枚の上着に執着してしまうとは情けない。やはり、この上着はお布施させて頂こう」
 悩んだ末、エカサータカはようやく決心し、その場で上着を脱ぎ、お釈迦様にお布施したのでした。
 お釈迦様は、彼の心の動きを察せられ、
「もし、エカサータカが一瞬もためらうことなく布施をしていたなら、16倍の功徳があったであろう。もし、ほんの少しだけのためらいであったなら、8倍の功徳があった。しかし、彼はそれよりも長い時間、ためらったため、4倍の功徳しか手にすることができなかったのだ」と説かれました。

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