
皆さんは学校で、先生や友だちの悪口を言って人を傷つけていませんか。嘘をついたり、怒ったり、欲張ったり、人を馬鹿にしていじめたりしていませんか。また、皆さんの周りにこういったことが起こっても、見て見ぬ振りをしていませんか。
悪いことをしてはいけないのは、誰でも分かっているつもりでしょうが、日頃私たちは、知らず知らずのうちに悪いことをしているものです。
では皆さんは、悪いことをした時に、どうしますか。「ごめんね」と謝って、それでおしまいでしょうか。それとも「悪いことをした」と反省するだけでしょうか。
塩水のたとえ
ある時、お釈迦様は弟子たちに問われました。
「世の中には、悪い行いの報いで地獄に堕ちる者がいる。しかし、同じ悪い行いをしても、地獄に堕ちない者もいる。この差はどうして起きるのか」
答えられない弟子たちに、お釈迦様は、たとえを用いて再び問われました。
「ここに手のひら一杯の塩がある。小さな茶碗の水に、この塩を加えたら塩辛くなるだろう。ではその手のひら一杯の塩をガンジス川(インドにある、海のように広い川)に投げ込むと、ガンジス川の水は塩辛くなるだろうか」
すると、弟子の一人が言いました。
「分かりました、お釈迦様。茶碗の水ほどの少ない善しか行わない人は、手のひら一杯の塩(悪)によって、水は塩辛くなり、飲めなくなってしまいます。一方、ガンジス川の水のように多くの善を行う人は、同じ手のひら一杯の塩(悪)でも、水は塩辛くなりません」
お釈迦様は、その答えに深く頷かれたのです。
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