皆さんは、生活の中で「生」や「死」の場面に、どれだけ出合っていますか。
「生」は、弟や妹が生まれたり、畑に野菜の芽が出たりすること、「死」は、一緒に暮らしている祖父母が亡くなることから、毎日の食事で、多くの生き物の命を頂いていることまであります。私たち人間だけでなく、すべての生き物は、何のために生まれ、そして、死んだ後はどうなるのでしょうか。
「天国や地獄という世界にいくのでは」「幽霊になって、未練がある場所でずっと過ごすのでは」「何かに生まれ変わるのでは」と、いろいろな考えがあると思います。お釈迦様は、「生まれ変わり」を説いておられます。今回はこのことについて学びましょう。
四つの大海の水
ある時、お釈迦様は、弟子たちに語りかけられました。
「ガンジス川や四つの大海の水は多い。では、そなたたちが計り知れない過去世より、生まれ変わり死に変わりを繰り返してきた生涯で、愛しい者との別れで流した涙と、どちらが多いであろうか」
弟子たちは、
「私たちは、お釈迦様の教えによって、果てしなく昔より繰り返してきた数々の生涯において、愛しい者との別れによって流した涙の量は、四つの大海の水さえも超えると心得ております」
と答えました。お釈迦様は、次のように仰せになりました。
「その通りである。そなたたちは、数々の生涯において、何度も父母の死にあったはずである。その度に流した涙の量は、計り知れない。また、何度となく、我が子の死にあったであろう。友の死にもあったであろう。血縁の者の死にもあったに違いない。愛しい者との別れの度に、悲しみに流した涙は、四つの大海の水でさえ、比べようがないのである」
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