皆さんは、天国や地獄といった言葉を、耳にしたことはありますか。
よいことをいっぱいしたら、死んだ後に天国に行ける、逆に悪いことをしたら、地獄に落ちる、と教えられたことがある人もいるでしょう。天国と地獄、どちらに行きたいか、と聞かれたら、たいていの人は天国と答えるはずです。しかし、天国(天界)は、私たちが生まれ変わり死に変わりする、苦しみの世界の一つといわれています。
今回は、その「天界」について学んでいきましょう。
天界の苦しみ
天界とは、天人の住む世界であり、天人とは、人間よりも優れた存在で、寿命も、とても長いといわれます。たとえば、兜率天という世界では、寿命は四千年で、その一日の長さは、人間界の四百年にもなり、途方もない時間を生きています。苦しみも、人間界に比べて、ほとんどありません。しかし、このような天界であっても、苦しみを感じることはあります。
それは、命の終わりが近づくと感じるようになる、次の五つの衰えです。
一、頭上の花がしぼんでくる
二、わきの下に汗をかく
三、着ている衣服が汚れる
四、身体から放たれる光がかすむ
五、天にいることが嫌になる
この衰えから感じる苦しみは、地獄で受ける苦しみの16倍にもなるといわれます。天人は楽しみが多いので、ささいな苦しみでも、強く大きく感じるのです。そして、いくら寿命が長いといっても、いずれは命終わる時が必ずやってきて、ここでも、苦しみを味わうことになります。