皆さんは、遅刻をしない、持ち物や宿題を忘れないといった「決まり」を守らずに、学校の教師や両親から注意されたことはありませんか。
二千五百年前、お釈迦様の時代にも、「五戒」という、五つの大切な決まりがありました。そのうちの一つ目にあるのが、「不殺生(生き物を殺さない)」という決まりです。今回は、この決まりについて学んでいきましょう。
私と同じように
ある時、真面目な若い僧たちが寝どこを整えていた際に、悪い行いばかりを繰り返す僧たちが来て、言いました。
「我々はお前たちより先輩だ。この寝どこは我々のものだ」
若い僧たちは、言い返しました。
「ここは私たちが先に来たので、譲ることはできません」
言い返された悪い僧たちは頭にきて、若い僧たちを殴りつけました。殴られた若い僧たちは、死の恐怖を感じ、大声をあげました。このことを知られたお釈迦様は、弟子たちに、次のように話されました。
「あらゆる生き物は、自分に危害や暴力が及ぶと、それにおびえ、その先にある『死』におびえるものである。仏の教えを学ぶ者は、『私と同じように、他の者たちも暴力によって苦しむ』『私が命を大事にするのと同じように、他の者たちも命は大事である』と知り、他者を殴ったり、他者を打ちつけてはならない」
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