
皆さんは教室にゴミが落ちていたら拾いますか。駐輪場の自転車が倒れていたら起こすでしょうか。
自分が捨てたゴミじゃないんだから、自分が倒した自転車じゃないんだから、片付けるの面倒くさいし、そのままでいいや。
これらは、「自分さえ良ければ良い」と、自分勝手に物事を考える心です。
ゴミが落ちているのを見て、自分と同じように嫌な気持ちになる人がいるかもしれない。自転車が倒れているのを見た持ち主はどう感じるだろう。
こう考えるのは、他の誰かの気持ちを思いやる心です。日頃、人を思いやることは大切だと分かってはいても、なかなか行動に移せないものです。
今回は、相手の立場に立って、物事を考えることを学んでいきましょう。
相手の立場に立つ
お釈迦様の弟子の一人に、難しい教えを実に分かり易く説く、迦旃延尊者という方がおられました。
教団には、出家前は王族や貴族だった者から、貧しい奴隷だった者まで、様々な身分、年齢の人々がいましたが、皆、口を揃えて、「とても分かり易い」と迦旃延尊者を誉め称えるのです。
迦旃延尊者は、ある時、彼らに向かい、次のように仰いました。
「目が見える者は、目が見えない者のように、耳が聴こえる者は、耳が聴こえない者のようにありなさい。智慧がある者は、愚かな者のように、強い者は、弱い者のようにありなさい」
迦旃延尊者は、相手がどれだけ自分と違う境遇、能力、性格の人であっても、その人の立場に立ち、相手にとって、一番分かり易いように教えを説いたからこそ、あらゆる人から、解説が分かり易いと評判だったのです。
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