念仏宗【念佛宗】無量壽寺|まなびの泉

念仏宗の総合案内 サイト更新日2024年10月8日

 

  周りをよく観る 
 愚かな牛飼いも、賢い牛飼いも、牛たちを向こう岸まで渡したいという、同じ思いを持っていました。
 しかし、二人の結果は、全く別のものになってしまいました。二人の牛飼いの大きな違いは、川や岸の様子を観たかどうかです。たったそれだけの違いで、結果は大きく変わりました。
 リーダーは、自分たちのチームが置かれている状況を、よくよく見極める必要があります。何も考えず、周りも観ずにチームを引っ張ると、望んだ結果が手に入るどころか、うまくいかず、チームに迷惑をかけることになりかねません。冷静に状況を把握し、目標への道筋を立てることが大切です。
 もう一つ、重要なことがあります。賢い牛飼いが牛たちを川へ入れる時、強い牛から順番に入れていきました。賢い牛飼いは、自分が連れている牛たちの力の強さを把握していたのです。人間にはそれぞれ、得意なこと、不得意なことがあります。リーダーがみんなの能力や得意なことを把握し、各々の能力にあった活動をさせてあげれば、そのチームは、十分に実力を発揮できるでしょう。
 このように、チームを目標に向かって導くために、リーダーの存在はとても重要です。
 
 

よいリーダーになる

チームを目標に向かって導くために、リーダーシップをとるということは、簡単にできるものではありません。時には、強い意志を持って、チームを率いていく必要があります。しかし、チームで何かを決める時、周りの人の意見を無視して、独りよがりな決断をするリーダーには、従う人も少なくなります。どんな時でも、チームのみんなに思いやりをもって接し、正しい判断で導いていく人こそ、よいリーダーです。
 リーダーが強い意志を持って、また思いやりを持ってチームを導く姿は、お釈迦様が弟子たちや私たちの幸せを願われ、教えを説かれ、幸せに導かれるお姿と重なります。
 私たちは、お釈迦様の教えを学び、実践することで、周りの人たちをよい方向へと導くことができます。世の中のリーダーとなっていけるよう、日々、努力していきましょう。
 
 
 

文・安土 ゆうき

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