お釈迦様が説かれた四つの真理は、私たちが真の幸せを得るまでの道のりを説いたもので、人々が理解しやすいように、教えが四つの型で示されています。
国語の授業で、作文や文章を書く時、自分が思いついたまま、順序を考えずに書いても、うまく伝わりません。起承転結や序破急といった型に当てはめ、伝えたい内容を整理することで、読む人は理解しやすくなるものです。
この四つの真理を「健康な歯でいるための道のり」にたとえて考えてみると、第一に「奥歯が痛い」と、どこが痛いかを確認し、第二に「痛みの原因は虫歯であり、虫歯になったのは、歯が汚れて、バイキンが住みつき、穴を空けたからである」と、原因を理解し、第三に「健康な歯になりたい」と、目的を定め、第四に「治療して、毎日、歯磨きをしよう」と、健康な歯でいるための方法を身につける、という道のりになります。
私たちは、普段の生活の中で、様々な苦しみを感じて生きています。
お釈迦様は、四つの真理を通して、その苦しみの根本的な原因が、私たち自身の中にある欲にまみれた心であると明かされ、苦しみのない状態を目的として定め、そこに至るための方法として、心と言葉と行動を正しくし、日々を生きるという道を示されたのです。
歩み続ける
皆さんは、お正月にすごろくで遊んだことはありますか。サイコロの目に従って進み、止まったところにお題があったり、一回休みになったりします。
私たちの生活も、思い通りにならないサイコロの目のように、進んだ先で様々な試練があり、乗り越えたかと思ったら、ふりだしに戻ってしまったり、逆に、思いもよらないくらい、先に進んだりもします。
ゴールまでの道のりが分かりやすく示されていても、示された通りに進めないこともあるでしょう。しかし、どんな試練があろうとも、道を外れずに歩んでいれば、いつか必ずゴールにたどり着きます。
何よりも、ゴールという目的地を見すえ、戻ったり、進んだりしながらも、歩み続けることが大切です。
迷いそうになった時には、お釈迦様の説かれた四つの真理、第一に苦しい現状を見つめ、第二に苦しみの原因を理解し、第三に目指す目的地を確認し、第四に目的地に至るための方法を身につけることを思い出しましょう。
正しい目的地とその道のりを歩むためにも、仏様の教えを学び、日々実践していくことが何よりも大切です。
文・
秋空 あゆむ
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