皆さんは、一日を振り返ってみると、毎日、どんなことを行っていますか。
朝起きて、着替えて、ご飯を食べて、学校で勉強したり、友だちと遊んだり、習い事をしたりと、色々なことをしていると思いますが、そのほとんどが自分のために行っていることです。
今回は、他のために行う「善」について考えていきましょう。
猫の足ほどの布施
ある男がお釈迦様の御説法に感激し、お釈迦様を自分の村に御招待しました。そして、村の家々を一軒一軒訪ね、「食べ物を持ち寄ってお迎えしよう」と伝えてまわると、村人たちも喜んで布施をしてくれました。
その中で、ビラーラパーダカという長者は、人差し指、中指、薬指の三本を揃え、自分の食事から、ほんの猫の足ほどの量をすくい取り、これぐらいでよいだろうと、男に手渡しました。
しかし、長者は後になって、「布施が少なかったから、私には功徳なんて回ってこないのではないか」と不安になってきました。翌朝、長者はいてもたってもいられず、男の家に向かいました。そして、今度は、「男が、私の布施が少ないと告げ口して、私に恥をかかせはしないだろうか」と心配していました。
しかし、男は、お釈迦様に、「世尊、今日の布施は、村のみんなが持ち寄ったものであります。どうか、布施をした人々全員に、平等に功徳がありますように」と申し出たのです。
それを聞いた長者は、自分が間違っていたことに初めて気づき、男のもとに駆け寄ると、自分の思い違いを打ち明け、すぐに男に謝りました。
そこで、お釈迦様は、
「見返りなどないのではないかと思い、小さな善行を軽く見てはならない。ポツンポツンと落ちる一滴の水が、やがて水瓶をいっぱいにするように、小さな善行は少しずつ積み重ねられ、心ある者は、やがて善に満たされる」と説かれました。
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