
なぜ、お金持ちの国王や大臣たちが布施したたくさんの灯明はすぐに消えてしまったのでしょう。もしかしたら、(どうだ、私はこんなにたくさんの灯明を布施することができるんだ。すごいだろう)という自慢する気持ちがあったのかもしれません。
そして、消そうとしてもどうしても消えなかった小さな一灯には、貧しい女の人の深く大きな真心がこもっていました。その真心とは、「お釈迦様に小さな灯明でも捧げたい」「世の全ての人々を救いたい」という心です。
皆さんのお母さんは、家事をする時、
「今日の料理代は五百円。洗濯代は千円」などとは言いません。何の見返りも求めず、家族のために働いてくれています。お母さんは、ただ皆さんが喜んでくれれば、たとえ「ありがとう」と言われなくても嬉しいのです。それは、他の幸せを願う、貧しい女の人の真心や、全ての生き物を救おうとして下さる、仏様のお心と同じです。
私たちの布施
私たちは、仏様のように見返りを求めず、自分の持てる力を、他のために使うことがなかなかできません。でも、思い出してみて下さい。がんばっている友だちを応援して、一緒に喜んだり、かぜをひいたお母さんのために、早く治ってほしいと願いながら、お手伝いをしたことはありませんか。
見返りを求めず善い行いをした時は、すがすがしく、気持ちがよいものです。ですから、「自分も人のために何かさせて頂きたい」という気持ちを常に持ち、日々過ごしていきましょう。
文・飛鳥 ゆめ
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