念仏宗【念佛宗】無量壽寺|まなびの泉

念仏宗の総合案内 サイト更新日2024年10月8日

 
 
   

 
皆さんは、日頃から部屋の片づけをしたり、身のまわりをきれいにしたりしていますか。日課として毎日やっている人、お母さんに言われてからやる人など、それぞれだと思います。
「ちょっとくらい、いいや」と片づけなかったら、それが積み重なって、やがて大掃除が必要なほどに散らかってしまうこともあります。
 今回は、身のまわりと心をきれいにすることについて学んでいきましょう。

少しずつの善

 ある男が歩いていると、比丘たちが衣を整えている姿が見えました。その周りには草がしげっており、さらに草が朝露でしめっていたために、衣がぬれてしまいました。これを見た男はすぐに、草が生えてこないように土地を整えました。
 次の日、比丘たちが衣をまとおうとした時、今度は衣の端が地面について、ホコリで汚れたところを見かけました。そこで、男はすぐに、ホコリが立たないように、道を掃除しました。
 またある日は、猛暑で、比丘たちが激しく汗をかいているのを見たため、男はすぐに、暑さをしのげるように、その場所に天幕を張りました。
 翌朝、雨が降り、今度は比丘たちの体がぬれてしまいました。それを見た男はすぐに、雨宿りする建物を建てたのでした。
 お釈迦様は、男に対し、
「賢者は、その時々に、少しずつ善を行い、次第に、自己の不善の垢を取り除くものである」
と仰せになり、次の偈を説かれました。
「銀細工師が 少しずつ 順々に 銀のサビを取り除くが如く 賢き人は 一つ一つ その時々に 己の汚れを除くべし」
 教えを聞いた男は、悟りの道へと入ることができました。