念仏宗【念佛宗】無量壽寺|まなびの泉

念仏宗の総合案内 サイト更新日2024年10月8日

 
 
 

 普段の生活の中で、同じ経験をしても感想が人それぞれ違ったり、同じことを注意されても素直に受け取れる人もいれば、そうでない人もいます。このような感じ方、受け止め方の違いは、どこからくるのでしょうか。私たちが普段感じることは、今までの経験や、周りからの影響が大きく関係しています。
 今月は、悪に近づかず、善き環境に身をおくことの大切さについて学んでいきましょう。
 

縄と紙のたとえ

 
 昔、お釈迦様が弟子たちと共に旅をされていた時のことです。お釈迦様は、道に一本の縄きれが落ちているのを指さして、次のように仰いました。
「その縄を拾ってみなさい。どのようなにおいがするだろうか」
 縄を拾った弟子が、そのにおいをかいで言いました。
「魚でも結んであったのか、とても生臭いです」
 しばらく歩くと、今度は紙きれが落ちていました。するとお釈迦様は同じように弟子に、においをかがせました。
「これはお香でも包んであったのでしょう。とてもよい香りがします」
 それを聞かれたお釈迦様は仰いました。
「元々、縄も紙も、においは無いものである。人も同じで、悪しき環境にいれば悪臭を放つようになり、善き環境にいれば、よい香りがする者となろう。悪しき場所に身をおいてはならない。人は善き友に接し、善き場所を選ぶべきである」