皆さんは、友だちや家族と過ごす中で、悪口を言われたり、理不尽に叱られたりして、腹が立ったことはありませんか。そんな時、私たちは怒りの心のままに行動してしまいがちです。しかし、怒りを人にぶつけた後、幸せな気持ちになれるでしょうか。
今回は、嫌なことが起きても、怒りの心を人に向けない「忍耐」について学びましょう。
風突然の出来事
ある時、お釈迦様の弟子の、舎利弗尊者と羅睺羅尊者が町で托鉢していると、仏教に悪意を持った者が、突然、羅睺羅尊者になぐりかかりました。
その者が逃げ去った後、羅睺羅尊者に対し、舎利弗尊者は、お釈迦様の教えを説きました。
「仏弟子は、恨みや怒りの心を抱いてはならない。常に、慈しみの心で人々を憐れみなさい。感情のままに怒りの心を人に向けることは、火の中に自ら身を投げるようなもので、その報いが必ず自分に返ってくる愚かな行いである」
羅睺羅尊者は、
「私の痛みは一時のものです。むしろ、彼の方が、その罪のために、長く苦しむことになるでしょう。気の毒なのは彼の方です」と、自分を傷つけた相手を思いやりました。
このことを聞かれたお釈迦様は、次のように説かれました。
「怒りや恨みの心を持たず、耐え忍ぶ者は、常に安らかで、災いのないところに生まれる。健康で、顔形も美しく、裕福で高貴な身分となるであろう。しかし、恨みや怒りを抱き、その心を人に向けたなら、それはまわりまわってその人自身を害するであろう。寿命が終わっても、その罪は消えることなく、地獄、餓鬼、畜生に生まれるであろう」
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