
皆さんの周りにはどんな友だちがいますか。たくさん友だちがいる中で、「この子は好きだから仲良くするけれど、あの子は嫌いだから仲良くしたくないな」と思ったことはありませんか。また、誰かが困っていても「そんなの自分には関係ない」と言って見て見ぬふりをしたことはありませんか。
「自分がよければそれでいい」という心では、幸せに暮らすことはできません。すべての人やものに対する大きな優しさや、幸せを願う心を「慈悲」といいます。今月は「大きな慈悲」について学んでいきましょう。
幸せを願う心
ある時、お釈迦様の弟子たちが高山のふもとに静かな森林を見つけ、修行していると、怖い顔をして、性格もとても荒い鬼たちが現れ、修行の邪魔をしてきます。弟子たちは悩み、お釈迦様に相談しました。
するとお釈迦様は弟子たちに身を護る教えを次のように説かれました。
「心が安らかであるためには、ただ、慈しみの心を修めなさい。
どんな場合でも、人をだましたり、馬鹿にしたりしてはいけない。怒鳴ったり、腹を立てたり、お互いに人の苦しみを望んではいけない。
まるで、母親がひとりの子を自分の命をかけて守るように、すべての生きとし生けるものに限りない慈しみの思いをそそぎなさい。
すべての生きとし生けるものに、幸いあれ、平和あれ、安楽あれと」
その言葉を聞いた弟子たちは、高山のふもとに引き返し、その後は落ち着いて修行に励むことができました。
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