お釈迦様は次のように仰っています。
「 仏 の教えが説かれる世界では、人々の心が素直になる。これは、常に人々を照らし守る仏の心に触れ、人々の汚れた心が清められるからである」
この世界で説かれる 仏 の教えとは、耳で聞いたり、目で読んだり、口で唱えたりする教えだけではなく、自然そのものも、 仏 の教えだといえます。
たとえば、水平線へと広がる大海原を見た時、夜空にまたたく無数の星を眺めた時、私たちは無条件に「美しい」と感じます。
それは、小鳥のさえずりを聞いた時、柔らかな風がそっとほほをなでた時、かぐわしい花の香りに安らぐ時など、ふとした瞬間に感じる感動です。
私たちが自然に感動した時、文字通り、心が洗われます。この時のきれいで純粋な心を「素直」というのです。
他にも、誰かが人のために行動している姿を見て感動したり、「自分も何かしたい」という気持ちがわいたことがあると思います。人から親切にされてうれしくなり、「今度は自分が何かしてあげたい」と思った経験もあるでしょう。
これらの気持ちも、人の「 仏 の心」に触れて、自分の心がきれいになった時に生まれてくる素直な心です。
身の回りにあふれている 仏 の心に感動したり、何かしたいという「善へと向かう心」が芽生えたりして、その思いが強くなっていくと、私たちは自分中心の心にうち勝てるのです。
仏 の 国 を つ く る
素直な心で生きることの素晴らしさを、お釈迦様は次のように説かれています。
「素直な心があれば、深く考える心、正しい道を選ぶ心、施す心、戒めを守る心、忍ぶ心、励む心、静かな心、智慧の心、慈悲の心などの、あらゆる清らかな心が生まれ、ここに仏の国が立派にうち建てられる。
心に仏の国を持つ人は、他の人の心にも仏の国をうち建てることができ、次第に仏の国は増えていく。家庭に、村に、町に、都市に、国に、最後には世界に、次第に広がっていく」
素直な心は、あらゆる清らかな心を生み、心の中に仏の国をつくります。
それはつまり、仏の道は素直な心から始まるということです。
誰かの仏の心に触れて、人のために何かしたいという心が生まれるように、皆さんの心が素直になれば、周りの人々の心も清らかにすることができます。
そうして善い行動を行い、次第に周りの人々の心に善を広げていくことが、日本や世界をも、幸せに変えていくほどの、大きな力となるのです。
文・日向 うらら
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