地獄には、大きく分けて八つの地獄があり、多くの罪を犯した者ほど苦しみの多い地獄へ落ちるとされます。私たちは、生まれてから死ぬまでに全く罪を犯さずに生きることはできません。なぜなら、ご飯を食べることでさえ、生き物を殺すことになるからです。つまり、私たちは誰もがどこかしらの地獄へと落ちてしまうと、お釈迦様は説いておられます。
地獄の中で一番苦しみが少ないとされる等活地獄では、お互いに傷つけ合ったり、鬼たちに金棒などで全身を打ちつけられて、体中が砂のように粉々になりますが、涼しい風が吹いてくると、再び生き返り、また同じように何度も苦しみを受けるといわれます。そして、人間の寿命よりはるかに長い間、苦しみ続けなくてはなりません。
そして、最も苦しみの多いとされる阿鼻地獄は「無間地獄」とも呼ばれ、その名のとおり、少しの間も無く、苦しみが永遠に続く地獄です。また、地獄というのは、死んでからの世界だけではありません。海外で起きている戦争も、互いが憎しみ合い、傷つけ合っている、まさに地獄といえます。
さらに、地獄は、自分の心の中にもあることを忘れてはいけません。腹が立った時、身体が熱く感じることがありますが、それは心が地獄の炎に包まれているからです。
尊い御縁
お釈迦様は、そんな怖い地獄へと落ちていく私たちを哀れに思い、人間が救われる道を示して下さいました。その道は、お釈迦様が八十年の御生涯をかけて、多くの弟子や人々に教えを説かれ、その後、長い歴史の中で、高僧や多くの仏教徒の方々が、苦しむ人々を救いたいという思いで、命をかけて護り伝えてきて下さった、とても大切なものです。
皆さんも、そのような尊いお話を聞く機会があれば、チャンスを逃さず、ぜひ聴聞させて頂きましょう。
文・日向 うらら
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