
多くの人が、「今日は、この英単語を覚えるぞ」「部活で絶対にレギュラーになる」など、日々、何かを目標にして頑張っていると思います。しかし、頑張っているうちに、そのことが嫌になってしまい、目標を達成できなかったり、あれもこれも頑張ろうとしてしまい、逆に心が折れてしまったことはありませんか。
今回は、「集中」について、お釈迦様の教えから学んでいきましょう。
あれも これも
ある日、長者の息子が、自分の家を訪れた長老に問いました。
「私は苦しみから逃れたいと思っております。どうすれば、苦しみから解放されますか」
すると、長老は、「布施をすることである」と答えたため、彼はすぐに布施を行い、
「次は、何をすればよいですか」と尋ねました。長老は、
「仏・法・僧の三宝に帰依しなさい」と告げました。
これもすぐに実践した息子は、長老に会う度に、次々に質問しました。
長老は、その度に、
「五つの戒律を守ることである」「次は、十の戒律を守りなさい」「出家しなさい」と説いていきました。
やがて、出家して比丘になった息子は、今度は先輩の比丘たちに、次から次へと様々な修行方法を教えてもらい、一生懸命、精進しました。しかし、なかなか自分が思うほど、うまくできず、だんだんと、
「ここでの生活は苦しい。家にいても、苦しみから逃れられるのではないか」と思うようになり、御説法も聞かなくなっていきました。
お釈迦様はそのことをお知りになり、彼に、次のように仰せになりました。
「一つのことだけに集中せよ。それは、自分の心を守ることである。心は、見極めることがとても難しく、繊細であり、欲望に流されやすい。智慧ある者は、心を守るべきである。そうすれば、苦しみから逃れ、幸せを得ることができるであろう」
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