私たちは、幸せになれると信じて様々なものを求めますが、欲しいものは次から次へと増えていきます。たとえ一つ手に入れて幸せを感じられたとしても、次のものが手に入らないことが、今度は苦しみとなるのです。
それは、喉が渇いた時に塩水を飲むようなもので、塩水を飲めば飲むほどますます喉が渇き、いつまでも苦しみ続けることになります。 お釈迦様の仰る通り、私たちが、ものを追い求めている限り、そこに本当の幸せは生まれないのです。
心の安らぎ
ものから幸せが生まれないということは、言い換えれば、幸せは心の問題であり、幸せとは「心の幸せ」だということです。
心で決められるのなら、幸せなんて簡単なことだと思う人がいるかもしれません。しかし、そう簡単にはいかないのが人間です。私たちは自分の心すら、自分の思うようにならないものです。私たちの心は、喜んだかと思うと、次の瞬間には落ち込んだり、さっきは笑っていたのに、急に怒ったりと、常に揺れ動き、休まることがありません。
そのように乱れる心を安らかにし、「安心」という幸せを手に入れることができるのが、仏の道を歩む、つまり、善い行いを実践するということです。
仲間と共に
ところで幸せとは、自分一人だけが幸せであれば、それでよいのでしょうか。もちろん、そうではありません。たとえば、道の途中で苦しんでいる人に出会った時に、自然と声をかけ、手助けをするように、本当の幸せとは、自分だけではなく、人々の幸せを願い、そのために尽くすことにあります。
「仲間と心を一つに」「仲間と共に」と、お釈迦様が説かれているように、幸せへの道のりは、一人でも多くの人に安心を得てもらうことから始まるのです。
文・末広 かりん
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