
皆さんは、友だちに、「宿題が分からないから教えてほしい」と言われ、解き方を伝えても、いっこうに解くことができなかったら、どのように感じるでしょうか。
「教えても分からないなら、もう一度、自分で考えてみてほしい」「自分の時間がもったいない」などと、問題を解くことができない友だちに対して、不満を感じてしまうこともあるかもしれません。
今回は、このような心について学んでいきましょう。
梵天の願い
はるか昔、お釈迦様が悟りを得られたばかりの時のお話です。
静かに瞑想される中、お釈迦様の心に、ためらいが生まれました。
「今、私が悟り得たものは、とても難しいものであり、簡単には世の人々には理解されがたいものである。もし私が悟りの教えを説いたとしても、きっと人々は理解できず、私はただ疲れ果てるだけに終わるだろう」
そのように思われたお釈迦様は、次第に、世の人々に教えを説くことはやめてしまおうと考えられました。このようなお釈迦様の考えを知った梵天という神様は、お釈迦様の前に姿を現し、次のように伝えました。
「お釈迦様、悟られた教えを世の人々に説いて下さい。この世の中には、目を煩悩の塵におおわれることが少ない人々もいるでしょう。彼らが教えを聞けば、きっと悟ることができるはずです」
この言葉を聞かれたお釈迦様は、もう一度、心の目により世の人々の様子を御覧になりました。そして、世の中に、汚れの少ない者も多い者も、教えやすい者も教えにくい者も、来世や罪への怖れを知って暮らしている者もそうでない者もいることを知られると、人々に対する慈悲の心を起こされ、教えを説く決意をされました。
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