
皆さんは、自分の「死」について考えたことがありますか。
家族や親戚など、身近な人の死を経験した人はいるかもしれません。テレビや新聞で目にすることもあるでしょう。しかし、自分の死について考えることは、ほとんどないのではないでしょうか。
この世に生まれたものには、いつか必ず死がやってきます。
死のイメージというと、怖い、苦しい、不安、といった暗いイメージが強く、考えたくないと思ったり、自分はまだ死なないと、他人事のように思う人も多いのではないでしょうか。
いつかは壊れゆくもの
お釈迦様は、旅の途中、ひどく体調をくずされたことがありました。別れの時が迫っていると感じた弟子の阿難尊者は、お釈迦様の見えない場所で、ひとり泣いていました。
そのことをお知りになったお釈迦様は、阿難尊者をそばに呼んで、仰いました。
「やめよ、阿難。悲しむことはない。嘆くことはない。私はあらかじめ、このように説いたではないか。全ての愛するもの、好むものからも別れ、離れなければならないということを。生まれ、存在し、作られたものは、いつかは壊れゆくものであるのに、それが壊れない、ということが、どうしてありえるだろうか。そのようなことはありえないのである」
お釈迦様は、嘆き悲しむ阿難尊者に語りかけるように説かれたのです。
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