皆さんは、部活動やクラスで何かを決める時、誰かに自分の意見と正反対のことを言われたら、どう思いますか。嫌な気分になったり、相手の意見を否定する人もいるかもしれません。
たいていの人は、自分の意見が正しいと思っているでしょう。そのためにお互いが対立し、わかり合うことができないこともあります。一つのことに心をとらわれる状態を仏教では「執着」といいます。今回は、「執着」について、お釈迦様の教えから学んでいきましょう。
執着という木
ある日、お釈迦様は、王舎城への道すがら、メスの子ブタを御覧になり、微笑まれました。弟子がその理由をたずねると、お釈迦様は、
「この子ブタはかつて、お堂の周りに住むニワトリであったが、仏の教えを唱えている修行者の声を聞いたことで、その後、王家に生まれた。そこで彼女は仏教徒となったが、王女であることに執着したために、その後も生まれ変わり死に変わりを繰り返し、今、ブタとして生まれてきたのである」
と答えられ、次のように説かれました。
「根が傷つかず、しっかりしているならば、木は切られても、再び育つ。執着の根もまた、断たなければ、その苦しみは何度も起こる」
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