ピンギヤは、お釈迦様の教えに感動し、心が強く突き動かされました。
それ以来、ピンギヤは昼夜を問わず、お釈迦様の教えを信じ、喜び、志し、一心に願い続けました。その思いは、身がお釈迦様のそばにあり、心がお釈迦様と結びついているというほど徹底したものでした。
煩悩を抑え、正しい悟りに至るための優れた能力である「五根」の一つに、「信根」という力があります。
これは、お釈迦様の教えを心の底から信じることをいい、信根が生じれば、心が澄んで智慧を生じ、物事をありのままに見ることができます。信根とは、いわば、信仰の根であり、心の中に仏様を念じる瞬間を多くしていくことで、大きく育まれ、実っていくものです。
しかし、ピンギヤのように、常に思い続けるということは、簡単なことではありません。私たちは、何か大事な考えごとをしていても、お腹が空くと気がそれたり、テレビがついていれば、いつの間にか見入っていたりと、すぐに気持ちがあちこちに行ってしまいがちです。
だからこそ、朝夕にお仏壇にお参りしたり、様々な仏様との御縁に触れたりする環境に身を置くことが大切です。
信じ切る
ピンギヤは、常に仏様を念じることに徹し、揺るぎない信仰の柱を自分の心の中に立てました。その徹底する姿こそが、「信じ切る」という境地です。
何事も、努力して努力して徹底するからこそ、成功します。
信じて信じて信じ切るからこそ、人生の目的、往生が叶うのです。
仏様が、どれほど自分から遠い存在であっても、信じ切る心があれば、その距離は関係ありません。命終わる時まで貫き通すというほどの強い信仰心を持っていれば、お釈迦様はいつも、私たちの心の中におられるのです。
文・青空 みやび
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