皆さんは、欲しい物がある時、お店でだだをこねてお母さんを困らせたりしたことはありませんか。また、自分の思い通りにならないと泣き叫んだり、暴れたりする人はいませんか。
やんちゃな子に「ガキ」という言葉が使われることがあります。「悪ガキ」や「ガキ大将」という言葉も聞いたことがあると思いますが、この「ガキ」という言葉は、実は仏教の「餓鬼」という言葉からきています。生きとし生けるものが生まれ変わり死に変わりし続ける、「六道界」という六つの苦しみの世界のうちの一つに、「餓鬼」という世界があります。
では、餓鬼の世界とは、いったいどのような世界なのか、お釈迦様の教えから学んでいきましょう。
欲張る心と苦しみ
ある時、お釈迦様は王舎城という町で、次のような御説法をされました。
「生きとし生けるものは、どのような行いをしたら、餓鬼界に生まれ変わるのだろうか。それは、強欲で嫉妬深く、物惜しみして布施などを行わないことである。そして、餓鬼には三十六種類あり、それぞれの犯した罪に見合ったところへ生まれ落ち、苦しみを受ける。たとえば、布施をすることもなく、仏法を信じることもなかった者は、針口餓鬼という世界に生まれ落ちる。そこの住人は、口は針穴ほどしかないが、腹は大きい山のようにふくれ、蚊や虻などの毒虫にたかられ、常に火で焼かれている。また、餓鬼界の一日一夜は、人間界の十年であり、寿命は五百歳にもなる」
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