◇苦境に耐える◇
このお話では、犬は連れ去られてから従順な態度をとり、逃げるそぶりを見せませんでした。
しかし、それは、逃げることを諦めたわけでも、開き直ったり、ふてくされたりしたわけでもありません。
犬は、今眠った村人から逃げても、他の人々に見られてしまったら、逃げ切れないかもしれないと思い、人々が寝入るのを待っていたのです。
そこには、飼い主のもとに必ず帰るのだという強い意志がありました。
このお話の犬のように、じっと我慢して苦境に耐え、目標達成への気持ちを持ち続けることができれば、いつか壁を乗り越えることができます。
スポーツ選手が幾度となくスランプに陥り、それでもこつこつと練習を積み重ねて勝利をつかみ取るように、決して諦めず、
耐えることが目標達成には必要不可欠なのです。
◇初心に返る◇
苦境に耐えて好機を待つということは、頭では理解できても、簡単にできることではありません。
私たちは、常に易きに流れ、楽な方へ楽な方へと考えが傾くものです。
苦しいことを好き好んで選択する人はいません。そのため、誰しもうまくいかない状況から少しでも早く抜け出したいと考え、
自分に都合のよい言い訳をして逃げてしまうのです。
しかし、強い意志をぶれることなく持ち続ければ、このお話の犬のように、一瞬の好機をものにすることができます。
弱音を吐いてしまいそうな時こそ、初心に返って、
「必ず目標を達成するのだ」
という気持ちを奮い立たせ、来るべき時に備えて、こつこつと努力を積み重ねていこうではありませんか。
文・夕凪 ねね
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