念佛宗 【念仏宗】無量壽寺|まなびの泉

念仏宗の総合案内 サイト更新日2017年10月1日

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 新しい年を迎え、家族そろって初詣はすませましたか。お正月には、お父さんやお母さんから、お年玉をもらった人も多かったことでしょう。お年玉や、プレゼントをもらった時、すぐにお礼が言える人は感謝の心がある人です。でも、どうお礼をしたらいいのかわからなかったり、素直に嬉しいと思えない時もあるかもしれません。
 どんな言葉や行動が、自分の素直な気持ちを相手に伝えることができるのでしょうか。今月は、「恩返し」について考えてみたいと思います。

黒牛とおばあさん

 昔むかし、インドの川のほとりに、おばあさんが住んでいました。ある時、旅人が、おばあさんの家に泊めてもらった宿代の代わりにと、黒牛を置いていきました。おばあさんは黒牛をまるで我が子のように可愛がり、毎日ごはんを食べさせ、ブラシをかけて、大切に育てました。黒牛も、家の中でも外でも、ずっとおばあさんの後ろをついて回り、みんなから、「おばあさんのほくろ」と呼ばれるほどなついていました。
 そうして立派に成長した黒牛はいつしか、「おばあさんは、家が貧しいのに、今日まで苦労しながら、こんなに大事に育ててくれた。何とかお礼がしたい」と考えるようになりました。
 そんなある日、大きな袋を積んだ荷車をひく男がやってきて、川を渡れずに困っていたので、黒牛は金貨をもらうことを約束に、一生懸命、荷車をひいて川を渡りきりました。金貨をもらった黒牛は、「これでおばあさんに恩返しができる」と喜び、急いで家に戻りました。
 ずぶぬれでクタクタになりながら帰ってきた黒牛を見て驚くおばあさんに、先ほどの出来事を見ていた村人が、「きっとおばあさんに恩返しがしたかったんだよ」と伝えると、おばあさんは涙ぐみ、黒牛を抱きしめて言いました。
「ああ、ケガがなくてよかった。お前の気持ちだけで十分だ。金貨なんかよりも、お前の体の方が大事だよ。お前が元気でいてくれることが、なによりの恩返しだよ」

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