念佛宗 【念仏宗】無量壽寺|まなびの泉

念仏宗の総合案内 サイト更新日2017年10月1日

HOME > まなびの泉 本棚 > 本棚10 2頁

私たちの愚かさ
 旅人は、自分の命が危険だということは百も承知です。しかし、わかっていても、欲を止められません。
 この旅人とは、まさに私たち一人一人のことであり、絶体絶命の場面は、人生が死へと追い立てられていることを表し、はちみつに心奪われる姿は、私たち人間の愚かさをたとえています。私たちは、旅人のように、人生の終わりに向かって歩いています。その先に待ち受けるのが死と知りながら、はちみつのように甘い、目先の楽しみにとらわれ、なかなか、その解決を求めようとはしません。
 お釈迦様は、そんな私たちに、「人生の目的を知り、生死の解決をせねばならない」と、説いておられます。そのお言葉を聞かないならば、それはまるで、学校の先生がテストに出るポイントを説明している時に、居眠りをして、聞いていないようなものです。せっかくの大事なチャンスを逃してしまうのもまた、大きな愚かさなのです。

愚か者こそを救う


 他にも、人間の愚かさを挙げれば、怠け心、怒り、物おしみ、いつわり、ねたみ、うらみなど、きりがありません。このような、救いようのない愚かな人間のことを、仏教では、「凡夫」といいます。凡夫は、その愚かさ故に、この迷いの世界で、いまだ生まれ変わり死に変わりを繰り返しています。しかし、こうして愚かさ故に苦しんでいる私たちを阿弥陀仏は見捨てず、「悩み苦しむ者こそを救いたい」と願って下さり、「極楽へは凡夫のままで往生できる」として救って下さいます。こんな私たちだからこそ、最後には、仏様の慈悲によって、幸せをつかむことができるのです。
 そのことに感謝し、静かに手を合わせ、お釈迦様の教えに素直に耳を傾け、少しでも愚かな心を減らせるよう努力していきましょう。

文・秋空 あゆむ

本棚10 1頁