念佛宗 【念仏宗】無量壽寺|まなびの泉

念仏宗の総合案内 サイト更新日2017年11月1日

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命の大切さ
 悪い行いばかり繰り返す僧たちは、寝どこを横取りしようとして、言うことを聞かない若い僧たちに暴力をふるいました。暴力によって他者を従わせようとしたのです。そして、暴力をふるわれた若い僧たちは、殺されるかもしれないと感じ、おびえました。この行いに対し、お釈迦様は、他者の苦しみや命の尊さを、自分のことのように大事に感じ、他者を傷つけてはならない、と説いておられます。

 生きとし生けるものは皆、一番大事なものは自分自身の命です。家族も、友だちも、動植物や虫たちも皆、自分の命を輝かせて生きています。その命のある期間や生き方は違っても、命の尊さに違いや差などはありません。

 お釈迦様が、「すべての生きとし生けるものは皆、仏となれる性質を具えている」と説かれたように、どんな生き物でも幸せを求めており、仏になれる種を持った存在なのです。粗末にしてよいような、必要のない命などありません。だからこそ、お釈迦様は、生き物をむやみに殺さないよう、「不殺生」という決まりを定められたのです。

行動するために

 生き物を殺さないという決まりを実践するのは、他の生き物を食べることによってしか生きていけない人間にとっては難しいことです。しかし、だからといって、他の生き物たちの大切な命を粗末にしてよい理由にはなりません。

 お釈迦様の時代では、雨季には虫を踏みつぶさないようにと外出は控え、天気がよい日に説法に行く時には、すり足で歩き、足下にいる生き物を殺さないように気をつけていました。他の生き物も、自分と同じように、痛みや苦しみを感じる存在であると考えることができれば、自然と他の生き物の命を大切にする行動ができるようになります。

 また、直接、生き物を殺すことはしないという人でも、友だちに対して悪口を言ったり、暴力をふるうなどして、相手の心や体を傷つけてしまったことはありませんか。実は、これだけでも、「不殺生」という決まりを破ったことになります。あらゆる生き物が、自分と同じように苦しみを感じ、命を大事にしていることを忘れずに、今までの生活をふり返り、命の尊さを思い、むやみに生き物を殺さないために、自分に何ができるかを考えながら生活していきましょう。



文・瀬名 みさき

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